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新鮮な舘岩便りお届けします!今日起こったできごと、見てきたもの、舘岩の自然などをお伝えしたいと思います。
  ここにいると自然、人々などから学ぶことがたくさんあります。そんな自然いっぱい、学習いっぱいの舘岩から、小さなことからコツコツ作者の視点からですが素直に伝えていきたいと思います。
  舘岩の穴場スポットもご紹介していきます!お楽しみに!!
 
2004年10月
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第1話赤かぶのお話
       〜汗と涙の・・・
第2話 ヤマドリのお話
       〜自然の恵み
第3話 地震のお話
       〜自然の恐怖
第4話 初雪のお話
       〜いざ出陣!!
第5話 紅葉のお話
      〜紅葉狩りへ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
第2話 ヤマドリのお話
           〜自然の恵み
2004年10月23日(土)曇
 

 今日はこの平穏な舘岩村にもちょっとした事件がありました。
  いつもはのんびりとした雰囲気に包まれた自然豊かな舘岩村。ところがそんな自然豊かな地には時々驚くようなことが起こるものなのです・・・。
 

いつもどおり事務所で仕事をしており、そろそろお昼にしようかと考えていたときのことでした。「ドン!!」ととてつもない音が事務所内に響きました。
  何事?車でもぶつかったのか、それとも近くで事故でもあったのかと慌ててベランダから外を覗いてみると、そこにはぐったりした鳥の姿が・・・!!!

ぐったりする鳥・・・
 どうやら事務所のドアに思い切り体当たりして倒れてしまったよう。その鳥はきじのような鳥で結構な大きさ。なるほど、大きな音もするわけです。ぶつかった時の衝撃は本当にすごいものでした。ピクッと痛々しく数回動いたきり、ぐったりして動きません。「どうしよう・・・」
  脳しんとうを起こしてしまっただけかと思い上司が揺すってみましたが、はじめは開いていた目もスッと閉じてしまい力が抜けたように首がぐったりとしてしまいました。もう死んでしまったのかな・・・。
  すると先ほどの上司がデジカメを片手に戻ってきました。「?!」

 
 

鳥の死にうっすら涙を浮かべている私をよそにカメラを構え出す上司・・・。「ひどい!写真なんて・・・」と思いましたが、これも何かの縁です。ここで思いがけず最期を迎えることになってしまった鳥の供養にと思い、私もデジカメを持って心を込めて写真を撮りました。「かわいそうに・・・。山には家族もいただろうに・・・」と。
  この時の私は思いもしませんでした。悪魔のような計画はすでに始まっていたことに・・・。

 その後、数枚写真を撮った後、脇に寄せておき、仕事が終わってからどこかに埋めてあげようということになりました。(少なくとも私はそう思っていました)
  そして夕方頃、スタッフの奥さんが来たので鳥を見せて、事情を説明しました。すると私には考えもしなかった一言が!奥さん「あれ、食べられるんじゃないの?」 私「???!!」
そうすると、もう一人のスタッフも「俺もそう思ってた」私「????!!!」

 でも、さばく人がいません。ホッと胸をなでおろしているのもつかの間。「こんばんはー」と入ってきたお客様。その方は何でも、魚などをさばくのが上手なのだそう。鳥を見るなり、「あー、熱湯につけて、羽をむしっちゃえばいいんだよ。お湯沸かして」と。
こうなってしまっては仕方ないと覚悟を決め、みんなで鳥をさばくのを見守ることに。
  あれよあれよという間に、鳥の羽はむしられ、見事にクリスマスに出てくるような鳥の姿になっていました。これには私も感動!
  さばくと決まってからは、これはしっかりカメラに納めるしかないと思い、私の取材者魂(?)もメラメラと燃え上がり、しっかりと写真をとりまくっていました。
 不思議なことに、あれだけ死んだときはかわいそうだと思っていたのに、実際にさばいているところを見ていると、ちょうど夕食時ということもあり、おいしそうに見えてきたことです!お腹がグーグーと鳴りだし、早く食べたい!とさえ思うように・・・。
  実際にその夜はみんなで鳥を囲んで夕食を食べました。
  その鳥なのですが、ここにある日本の野鳥で調べてみると、「ヤマドリ」という鳥のようで、雄で体長125cm、雌で51cmほどで、一夫多妻制(よくわかっていないようです)の鳥なのだそうです。人に聞いた話では、ヤマドリはとてもおいしく、ごちそうらしいことがわかりました。
  自然の中にいると、思いも寄らないことが起こりびっくりしたり、楽しかったりすることがあるんですね。だからここでの生活は楽しいんです。生活の中から学ぶってこういうことなんだな。この辺りでは、猟師さん達がいて、熊も食べるしウサギも食べる。マタギといって、熊やウサギを追いかけてそれを食料にしていた猟師さんの文化もある。これも、その土地の食文化と民俗を学ぶということなんだなーと感じながら、さばいてもらった自然の恵みヤマドリをおいしくほおばる私でした。
 
第2話 ヤマドリのお話〜自然の恵み 終わり

 

第3話 地震のお話
         〜自然の恐怖
2004年10月23日(土)曇り 夕方
 今日18時56分大きな地震がありました。震源地は新潟県。震源地からそう遠くない舘岩村でも随分と激しい揺れが起こりました。ARSの事務所内もガタガタと揺れ、とてつもない恐怖を感じました。特に物が落ちて来るという被害はなかったのですが、その恐怖といったら何とも言えません。その時の状況を少し説明したいと思います。
 その時、私たちが何をしていたかと言いますと・・・。カンのいい方はもうおわかりでしょう。そう、例のヤマドリをさばいている真っ最中だったのです!!(わからない方は第2話を参照のこと)
  ちょうど外でヤマドリをさばいているところを、夢中にになって写真を撮っていました。すると、グラグラと1回目の地震が!相当な揺れでした。すぐさまテレビをつけてみると新潟では震度6強、会津でも震度5と表示されていました。こんな地震は初めてです。外に出るとこの地区の区長さん(この村では部落ごとに部落を納める区長さんという方がいらっしゃるのです)があまり揺れがひどいので、見回りをしていました。その間にも余震が数回。それもかなり大きいもの。上から物が落ちてきたというような被害はなかったのですが、妙な不安が襲ってきました。 まさかこんな大きな地震がここで起こるなんて思いもしませんでした。スタッフの中には心配して関東の家族に連絡する人や逆にこちらを心配して連絡をくれる友人や家族からの電話を受けているひと、「こんな時でも飲みかけのビールは離さなかったよ」と言っている人と様々でした・・・。  
地震はどうして起こるんだろう?
どうして地震が起こるのかをちょっと調べてみました。
地球の表面はいくつかのプレートという厚い層で覆われています。このプレートは海や大陸をのせて年間数センチから10数センチの速度で水平にいどうしています。そして、プレートとプレートがぶつかりゆがみが生じることにより起こる地震(海溝型地震)やゆがんだプレートが元に戻ろうとする力によっておこる地震(内陸型地震)があるそうです。
簡単に説明してしまいましたが、本当はもっと複雑です。
詳しくは・・・ 自然のいろいろ(地震編)へ
余談: 昔小さい頃、ある人にどうして地震がおこるのか尋ねたところ、「私たちが生きているように、地球も生きてるんだよ。だから、地球が風邪をひいて震えてたり、くしゃみをしたりすると、地震が起こるんだよ」という答えが返ってきました。プレートの存在など知らなかった子供の頃の私は、なるほどと納得し、しばらくはそう信じていました。
  今思うとみごとに騙されていたのですが、でもちょっとメルヘンチックなお話ですよね。
 でも、ここではそれほど被害が大きくなかったものの、震源地に近い場所では家が倒壊して避難生活を送っている方やケガをした方、亡くなってしまった方もいるようで、ニュースをみていると日ごとに被害の大きさ、地震の恐ろしさを痛感しました。
  ヤマドリなんて食べてる場合じゃない!といった感じですが、こうやってヤマドリをほおばっていられるのも、無傷でいられるからだとホッとしました。
  今日はヤマドリという自然の恵みと地震という自然の恐ろしさ両方を味わったという濃い一日でした。
後日談〜 その時は被害がないと思っていた当事務所ですが、実はあったのです!裏の荷物置き場に立てかけられていたスキー板約15台が将棋倒しになっていたのです!!やすい物ではないだけにあわててしまいました。それだけで済んだことに感謝しなければなりませんが・・・。
第3話 地震のお話〜 終わり
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