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湿原を形成するものは『泥炭』といい、泥炭とは植物遺体(植物が枯れて腐った状態)が堆積したものです。ふつう植物は枯れたあと微生物によって分解され、土になります。しかし気温が低く、水分の多い条件では植物遺体は酸素不足になり、微生物の活動が抑えられるため、十分に分解されずに積み重なってゆきます。 こうしてつくられた泥炭は、植物遺体の繊維構造でなされているため、非常にもろく、切断したり乾かしてしまうと二度と元には戻りません(湿原への立ち入りを禁止する由縁は、こういった理由からなのです)。この泥炭の上に植物が根を張り、草原となったものを『湿原』といいます。 湿原は場所によって形成のされかたが異なっており、それにより生える植物も変わってきます。尾瀬は次のような3つのタイプの湿原に分かれています。 ○低層湿原 泥炭の地表がまわりの地下水位よりも低いか、もしくはそれに近い状態にあるものをいいます。ここに生える植物は、地下水や河川の供給を受けるため栄養価が高く、ヨシなどの背の高いものから、ミズバショウ、リュウキンカなどが育ちます。 ○高層湿原 泥炭が厚く堆積し、地表がまわりの地下水位より高くなった状態のものをいいます。ここの植物は雨や霧といった天水に頼るしかなく、貧栄養かつ乾燥しやすいといった厳しい環境に耐えなくてはなりません。そこで、地表を覆うミズゴケに依存し、水分を分けてもらうのです。ここではツルコケモモ、ヒメシャクナゲ、モウセンゴケといった背の低いものが多く生育します。 ○中間湿原 低層湿原と高層湿原の中間的性質をもつものをいいます。高層湿原のまわりや山すそにつくられ、ニッコウキスゲやワタスゲ、コバギボウシ、タテヤマリンドウなどが育ちます。尾瀬沼の大江湿原は大部分がこの中間湿原になっています。 |
大江湿原
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☆調べてみよう! □質問1 ミズゴケの性質について詳しく調べてみましょう □質問2 尾瀬を訪れたとき見られた植物の名前を調べ、自分が歩いた湿原はどのタイプであったか割り当ててみましょう。 ★学習コース |