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至仏山は高山植物の宝庫としてだけではなく、地質学的に見てもたいへん興味深い山です。至仏山は森林限界が非常に低く、中腹から上はゴツゴツとした蛇紋岩(じゃもんがん)という岩肌が露出しています。蛇紋岩はケイ素とマグネシウムを主成分とする岩石で、ここから溶けだすマグネシウムイオンが植物の根の水分吸収を妨げるため、在来の植物が入り込めないのではないかといわれています。 至仏山の山頂付近に生えているのは北方系の植物で、今から1万年以上も昔、氷河期時代に南下したものの生き残りであると考えられています。氷河期が終わってから現在までの温暖化で再び北上した北方系植物は、高山や多雪地帯などの寒冷地や貧栄養の環境に生き残ったり取り残されたりしました。尾瀬ヶ原や至仏山で見られるものの中にはこういった貴重な植物が数多く含まれているのです。 |
☆調べてみよう! □質問 至仏山の蛇紋岩に生える代表的な植物を調べてみましょう。 ★学習コース |